レアル・マドリー対バルセロナのエル・クラシコでも盛り上がったコパ・デル・レイは残すところ準決勝と決勝だけとなり佳境を迎えているが、勝ち残った4チームのなかに耳慣れないクラブがある。
CDミランデス。スペイン北西部カスティーリャ・レオン州に本拠地を置くこのクラブはセグンダ・ディビシオンB(3部)所属ながら、プリメーラの3チーム(ビジャレアル、ラシン・サンタンデール、エスパニョール)を次々に撃破する快進撃をみせた。
そんなチームをカピタンとして引っ張るのがFWのパブロ・インファンテ。FW登録のインファンテだが主戦場は左サイドで、プレースキックも一任されている。心臓疾患を乗り越えピッチに立つこの31歳は目下トップスコアラーとしてチーム躍進に大きく貢献しているが、実は銀行マンでもあるのだ。
キンコセス・デ・ユソの銀行で支店長?として働くインファンテはエスパニョールのホーム、コルネリャ=エル・プラットで行われた準々決勝第1戦を終えると、戦いの余韻に浸ることなくすぐさま友人の車に揺られながら地元ミランデスへと引き返した。 そう彼には仕事があるのだ。
午前5時半にようやく帰宅した彼はシャワーを浴び、朝食を摂ると始業時間である8時には出社していた。なんでも、昨年7月に結婚式を挙げた際もその翌日に昇格を懸けた戦いがあったため、新婚気分に浸る暇もなかったそう。
「このような注目を浴びることに誰も慣れていません。まるで夢の中にいるようです。できるだけ長く夢を見ていたいですね。ミランデスはすでに歴史を造りました。クラブ史上初めてコパ・デル・レイの準決勝に辿り着いたんですから。(エスパニョールを破った第2戦では)とても感極まりました。最後の最後にサセルのヘディングが決まった瞬間、みんな飛び跳ね打ち震えていました」
と語るインファンテはサポーターたちの支えがあってこそと強調した。
「私は7年間このチームにいますが、いい時ばかりではありませんでした。昨シーズン、グアダラハラでのプレーオフで涙を呑んだ時も300人のサポーターたちが応援してくれていました。 昇格は叶わなかったけれど、私たちチームにとってサポーターが本当に必要なことが分かったんです」
隣接するバスク州のビルバオとの対戦となった準決勝でミランデスはホームでの第1戦に1-2で惜敗。決勝進出を掛けた第2戦は8日にビルバオのホーム、サン・マメスで行われる。ちなみに、ミランデスのカルロス・ポウソ監督はビルバオファンなんだそう。
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