スウォンジ
ウェールズ南部の港町であるスウォンジーに本拠地を置くスウォンジは、昨季チャンピオンシップで3位に入り、その後のプレイオフを勝ち上がり、ウェールズのクラブとしては史上初となるプレミアリーグ参戦を果たした。通称"ジャックス"の名で親しまれるスウォンジは、元々スウォンジー・タウンの名で1912年に発足したクラブだったが、1969年にホームタウンが市制を敷いたことにより、現行の名称となった。今季は昨シーズンに続き、イングラン人監督であるブレンダン・ロジャースがチームの指揮を執る。昨シーズンは勝ち星ではリーグ首位のQPRと並んでいながらも、勝ち点を失う試合がしばしばあったため、プレイオフに回ることになったのだが、プレミア初年の今季は粘り強く勝ち点を取りに行くことが残留へ向けたキーポイントとなる。注目選手は、元チェルシーで昨季リーグ戦19ゴールを挙げたシンクレアだ。
ノーリッジ
カナリアが描かれたポップなエンブレムの通り、"カナリーズ"の愛称で親しまれるノーリッジは、プレミア昇格1シーズン目だった2004-2005シーズンに降格して以来、7シーズンぶりのプレミア復帰となる。チャンピオンシップ降格以降、一時期は3部相当となるフットボールリーグ1まで降格した時期もあったが、2009年のポール・ランバート監督就任を機に、そこから最短の2シーズンでプレミアリーグ復帰を果たした。久々のトップフライトとなる今季も、引き続き二段階急上昇を実現させたランバートがチームを率いる。昨季はフォワードのホルトを中心とした攻撃力を武器にリーグトップとなる83得点をマークしたが、一方58失点と、守備面での不備も露呈している。攻撃力のみではプレミアで生き残れないことは、昨季のブラックプールが証明しており、プレミア残留へ向け組織的な守備戦術の配備が求められる。
QPR
ロンドン西部に本拠地を置くクイーンズ・パーク・レンジャースは、通称QPRの名で親しまれ、その創設は1882年と古い。昨シーズンは、46試合32失点という統制の取れたフットボールを武器に2部リーグであるチャンピオンシップを制覇し、実に15シーズンぶりとなるプレミアリーグ復帰を果たした。今季は、チームを昇格に導いたニール・ウォーノック監督が引き続きチームを率いることが決定しており、シーズンオフにはキーロン・ダイヤー、ガビドンといった経験豊富なプレイヤーをスカッドに加え、準備は万端である。やはりノルマはプレミアリーグ残留である。昨シーズン19得点を挙げリーグ最優秀選手に輝いた、トッテナムからローン移籍中のタラブトがチーム残留を希望していることも好材料の一つだ。尚、QPRは、元クラッシュのミック・ジョーンズ、元セックス・ピストルズのグレン・マトロックといったミュージシャンのファンが多いことでも知られる。
ウィガン
ウィガンのチーム創立は1932年と、19世紀に多くのチームが設立されたプレミアリーグの中では比較的新しいチームと言える。05-06シーズンに初のトップフライトとなるプレミアリーグ昇格を果たし、その後は継続してプレミアリーグ残留に成功しているウィガンは一昨シーズンにマルチネス監督を招聘し、華麗なパスサッカーへの転身を試みた。しかし、このチャレンジは実を結ばずチームは2シーズン連続して過酷な残留争いに身を晒すことになった。今季も引き続き指揮を執るマルチネス監督は、理想と現実の間にあるベストな着地点を見出すことができているとは言えず、今シーズンもタフな戦いが待っていそうな気配が漂っている。チームマネージメントにソリッドさを欠いているというマイナスに加え、昨季プレミア残留の立役者となった攻撃面での支柱であるヌゾグビアの放出も痛いところだ。目標はプレミア残留、ピリオドである。
ウォルバーハンプトン
ウォルバーハンプトンはイングランド中部の人口24万人ほどの都市であり、チームの愛称はウルブズ。その名の通り、シンプルにデザインされた狼のエンブレムが特徴的である。昨シーズンは、終始降格圏をウロウロし、最終節にやっとのことで残留を果たした。チームを率いるマッカーシー監督は、顔に似合わずパスを繋ぐテクニカルなフットボールを実践しようとしており、実際に、スパッとはまると魅力的なフットボールを披露することもあるが、その要求の高さが仇となり、試合を失うことも実にしばしばある。この数シーズン来続いているパフォーマンスのばらつきこそがウルブズの弱点であり、この部分の矯正が成されるか否かで、彼らの今シーズン戦う場所が決まってくるだろう。先ずは最終ラインにもう少し現実的な選択肢を増やし、守備面の安定化を図りたいところである。
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