ホームで0-1の敗戦を喫したザックジャパン。すでにグループ2位以上が確定していたとはいえ、
最終予選へ向けてやや不安の残る試合内容となった。
その矛先はザッケローニへも向けられた。攻撃の形がなかなかつくれなかったことが最大の
理由であるが、その打開策にもなりえた初召集の宮市亮(ボルトン)に出場機会を与えなかった。
宮市は試合後、「正直、自分が入ったら何か変えられるかなと思いました」と、悔しさの
にじむコメントを残している。
現在、プレミアリーグで評価が急上昇中の宮市は、中京大中京高時代、プレミアリーグの名門
アーセナルの練習に参加した。そこでアーセン・ベンゲル監督の目に留まり、2011年1月、
アーセナルに入団する。就労ビザの関係でフェイエノールト(オランダ)でプレーすることに
なるが、ここでの活躍も認められ、今季はアーセナルに引き戻された。
若手の才能を発掘することでは世界一ともいわれるベンゲルは、宮市についてこう語っている。
「リョウのいいところは、走り出すタイミングの良さだ。いつ、どこに行けばいいかを
理解している。それはとても大事なことで、彼はスピードの使い方を知っている知的な選手なんだ。
そして献身的でもある。ほかの日本人がそうであるように、彼もまた真摯に仕事に取り組むタイプ。
トレーニングでもそれが表れている。アーセナルでもレギュラーになれる、すぐそこまではきている」
6月から始まる最終予選では再び召集される可能性が高い。サッカーライターの杉山茂樹氏は、
宮市の起用をプッシュする。
「日本にはこの20~30年いなかった本格的なサイドアタッカーです。縦への推進力はすでに
しっかりした教育を受けているから、自分が今、何をしなければいけないかがわかっている。
自分の”好み”のプレーに走りがちな選手が多いなかで、異質です。それが日本代表になんとなく
漂っている閉塞感を打ち破る可能性もある。僕は早く使うべきだと思います」
あとはザッケローニの決断を待つばかりだ。
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